きものコラム
満願 着物にまつわる感想 NHK ドラマ
お盆にNHKで放送されたドラマ「満願」
まるで映画を見ているかの様な上質なドラマだった。
人の心の根っこにあるものをあぶり出した心理ミステリーと言おうか?
市川実日子さんの演じる畳屋さんの女将が日常に着物を着ていてそれも楽しめるドラマだった。
原作小説もあってそれにも着物にまつわるエピソードがあってそれもおもしろかったので
紹介します。
弁護士である主人公は学生時代この畳屋に下宿し
この女将に励まされて勉強していた。
原作小説で主人公が初めてこの下宿に訪れた時
女将は桔梗柄の着物をまとったと書かれていたが、後に校閲が入って季節は春なのに桔梗の着物を着るのはあり得ない
と、判明した。ましてや借金のかさむ畳屋だけでは生活できず、着付け講師もしている女将ですから。
原作の第一版はそのまま桔梗柄になっているが二版以降は絣の着物に書き直されているそうです。
出版社の校閲は色んな知識が必要なんですね。
下の写真がそのシーン。桔梗の着物ではありません。
紬に紺色の前掛け店番してる日常の着物姿がいい。
この女将が借金取りを殺害するのだが、
借金取りにスイカを出して食べている時に。
だから、夏だろうと思うんだけど襦袢がポリで袷用だったのが残念ポイント。
そんな所気にしてドラマ見てはいけないですかね?
NHKは朝ドラにしろ大河にしろ着物を大事にしているから
楽しみに見てるし。
白い割烹着の綺麗な奥さんが見ていたら勉強に集中できないかも。
刑が開けて出所した所 ブルーの夏着物
日傘が素敵です。